女性活躍の推進や就労機会の創出を支援 婦人科系のオンライン診療サービスを提供するネクイノ
2022.05.13
- 健康・福祉
- 仕事・働き方
- ミッション/ビジョン/バリュー
- 官公庁と連携したスタートアップ
-
婦人科系のオンライン診療を
手掛けるネクイノ(大阪市北区)
- 連携先の行政機関
- 兵庫県三田市
- 行政機関側の課題
- 働く女性の割合が低い
神戸市のベッドタウンでもある兵庫県三田(さんだ)市は、結婚や出産、育児を機に職場を離れた人が多く、子育て中の女性の就労率が低いという課題を抱えている。こうした現状を踏まえ、婦人科系のオンライン診療を手掛けるネクイノ(大阪市北区)と連携し、女性活躍の推進に向けた取り組みに乗り出した。
- 官公庁と連携したスタートアップ婦人科系のオンライン診療を手掛けるネクイノ(大阪市北区)
- ネクイノが提供するサービスは、婦人科に足を運ばなくても助産師や薬剤師に生理不順やピルについてスマートフォンで相談できる「スマルナ」だ。主要顧客は10〜30代の女性で、2022年2月時点のダウンロード数は累計で72万件を超える。
- 連携先の行政機関兵庫県三田市と女性活躍推進を支援する連携協定を締結
- こうした実績や知見・ノウハウを踏まえ三田市との間で連携協定を締結。女性活躍の推進や就労機会の創出を促進するため、生涯を通じた健康を支援するための取り組みを進めていく。
- 行政機関側の課題働く女性の割合が低い
-
女性活躍の本格的な支援に先立ち、結婚して働いている人の割合や子育て中の所得に関する調査を実施、県内の他自治体との比較を行った。それによると三田市は世帯所得が高い傾向にあり、経済的な理由で働く必要のない女性が多いことが判明した。また、近所で働こうとした場合、満足できる賃金を得られる仕事は決して多くない。給与水準の高い大企業に勤めていた人も多く、賃金が安ければわざわざ働く必要がないという理由も目立った。
三田市は少子化が進んでおり、若い人たちやファミリー層が住みやすくなる街づくりが喫緊の課題となる。それには働く場所と子育てのサポートを中心とした、女性活躍が進むような環境整備が不可欠。このため三田市役所自らが組織風土の改革に乗り出すとともに、ネクイノと組んでキャリアを中断した女性への就労機会の創出を進めていくことにした。
導入したプロダクト
ワークショップやセミナーを開催し、解決策を探し出す
これまでネクイノは、宮崎県延岡市や山梨県大月市、岐阜県垂井町などの自治体と提携している。しかし、従来はプロダクトアウト型。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって産婦人科を中心に医療崩壊の危険性があることから、それを回避するための戦略を提案していた。これに対し今回は、ライフステージによって多様性を増す女性の働き方を踏まえた新たな価値を創出し、政策提言につなげていく。
具体的にはネクイノと密接な関係にある婦人関連の医療従事者を起用。対面でのワークショップやセミナーを開催することで課題を抽出し、解決策を導き出す。
導入以後の感想/結果
職員の意識も向上
導入を開始したばかりだが、連携先を効率的に開拓するための有効と認識しており、千葉氏は「職員の意識向上にもつながるツール」とみている。
今後の展望/課題
新たな処方箋を見つけ出し、産業として実装
自治体や企業の大半は、三田市と同様の課題に直面している。今回のプロジェクトを通じ、女性活躍の推進に向けた新たな処方箋を見つけ出し、「産業という形で実装していく考え」(ネクイノの石井健一代表取締役)だ。